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おばあちゃんの味 <ソパルニク Soparnik>

先週までの暖かさが嘘のように突然寒くなったフヴァル島、
太陽さえ照ってくれれば春らしい気温。
今週フヴァルに来られる方は厚手のジャケット必須です!!

今日はおばあちゃんの味、ソパルニク。

お義母さんは、オミシュの近くガータ村の出身。
今年で81歳になったお義母さんは、私たちの村で島外から嫁いだお嫁さん3人目。
ソパルニクはそのガータ村やオミシュ周辺で古くから伝わる伝統料理。

ブリトバ(ふだん草)をたっぷり使ったパイのような、ピザカルツォーネのような・・・。
この村で作れるのはお義母さんだけ、今のうちに習っておかなければ!

畑から成長しきった硬いブリトバのみ、収穫。
緑の葉の部分だけ使う贅沢料理。
細かく切って、一日乾燥させる。
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翌日オリーブオイル、玉ねぎのみじん切り、塩をまぶし、小麦粉の生地で包んでオーブンで焼く。
簡単なようで2キロの小麦を捏ねるのは結構体力勝負。

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焼きあがったら、仕上げにオリーブオイルを塗り、その上にニンニクのみじん切りを散らす。

大量に作ったソパルニクは近所や親戚に!
お義母さんがソパルニクを作ると家族は大喜び!

これは家庭のソパルニク。
本場のソパルニクは大きな丸い形に仕立て上げ、オーブンではなくコミン(暖炉のような焼き場)で、消えかかっている灰をかけて、灰の中で焼き上げる。
それを細かくひし形に切って食べる。
スプリットの市場などでもオミシュの方からやってきて、ひし形に切ったソパルニクを売っているので是非お試しを!

ここでびっくり話。
 
 近所のおばあちゃん達はお義母さんと仲良しだけれども、ソパルニクは島の食べ物じゃないからと、未だに試そうともしない。
近所でソパルニクを食べるのは、ボスニアから嫁いできたおばあちゃんと、チェコから嫁いできたおばさん。
たった50キロぐらい先の同じクロアチアの村の食べ物ですけど・・・。
ブリトバだって島の畑で獲れたもの。でもソパルニクという食べ物になると一切試さない。
食べ物に対する大きな壁、これは一体何だろう?
この村で生まれ育ち、島の人と結婚したおばあちゃん達は島で知らない食べ物は一切食べない。
クロアチアのものでも島のものじゃなければ食べない、試そうともしない。
仲の良い毎日おしゃべりする友達が作ったものなのに・・・驚いた。
日本の島の田舎でもそうなのだろうか・・・。私の祖母は94歳になるけれど、何でも試す。田舎だけれどその土地に根差してないからだろうか?
この村に頑なにあるこの硬~いものは何だろう・・・。

お義母さんは、友達がソパルニクを島のものじゃないから食べないというのを当たり前に思っているようで、
「食べてもらわない方がいい!その分私達がたくさん食べられるから!」と笑っている。

ちなみに、お義母さんも知らないものは一切食べない!!笑









by tomaya-croatia | 2017-04-18 23:12 | 苫屋 農家